Qualtricsでインタラクティブな実験を実現する「SMARTRIQS」は、既に本家が用意してくれている「SMARTRIQSサーバー」を利用するだけでなく、自分で「SMARTRIQSサーバー」をセットアップすることもできます。
今回は、公式Webサイトの”Set up your own server”を元に、自分で「SMARTRIQSサーバー」を立てる方法を紹介します。
目次
自分でサーバーを立てることのメリット・デメリット
- メリット:個人情報を収集できる・好きなようにカスタムできる
- デメリット:コストやサーバー管理の難しさ
公式サイトによれば、自分でSMARTRIQSサーバーをセットアップすることのメリットは、個人情報などの機密データを収集できることとされています。
また、これは筆者の考える自サーバーを用意するメリットですが、本家でなにか問題が生じた際のバックアップ手段になること、コードの拡張で8人よりも多い人数で実験実施も可能になります。
ただ、自サーバーでやる場合、サーバー周りの知識は必須ですし、SMARTRIQSサーバーで参加者のモニタリングもできなくなってしまうので、筆者自身はあまり本家サーバーで良いと思っています。
セットアップにコストが掛かったりめんどくさいこともあり、基本的には、本家のサーバーを利用することが推奨されています。Data Policyとかもあるので、倫理申請等で困ることはないと思います。
サーバーを立てる選択肢
- レンタルサーバー:素早いけれどコストの掛かる方法
- コストパフォーマンスが良いが、難しい方法
公式サイトによれば、上記の2つの方法が用意されています。1つ目は一般的なレンタルサーバーを借りて実装する方法で、2つ目はAmazon Web Service(AWS)などを利用する方法です。
今回は、簡便的な方法として1つ目を紹介します。
レンタルサーバーを借りる場合
1. レンタルサーバーを借りる(ドメインを買う)
まずは、レンタルサーバーを借りてドメインなどをセットアップしましょう。レンタルサーバーは、エックスサーバーやさくらサーバーなど一般的なサービスで大丈夫ですし、WordPressなどでブログをしている人は、そのまま流用できます。
ドメインについても、レンタルサーバーを借りるとついてくるものでOK。
2. GitHubから必要ファイルをダウンロード
公式のGitHubからサーバーのセットアップに必要な”server-side scripts”の6つのファイルをダウンロードします。
3. レンタルサーバーにアップロード
レンタルサーバーに、ブラウザ経由のファイルマネージャーやFTPソフトで接続し、ドメイン直下に「smartriqs」というフォルダを作成してアップロードします。なお、筆者は、SMARTRIQS用のサブドメインを作成し、そこにフォルダを作成したため、smartriqsを作成したのが、「ドメイン名/public_html/サブドメインフォルダ/smartriqs」という場所になっています。
4. researcherIDのフォルダを作成
アップロードしたphpファイルを同じ階層に”researcher1″とか”researcher2″とか”hogehoge”などフォルダを作成します。これが、後にQualtrics上でresearcherIDとして動作します。
5. Qualtrics上でserverURLの設定
あとは、Qualtricsの埋め込みデータで、serverURLに設定したドメインを入力します。上記の画像のように”https://www.yourdomain.com/smartriqs”と行った形で、PHPファイルがある場所を指定すればOKです。
あとはいつもどおり実験をセットアップするだけです。